技術日記⑪ in 名古屋
2024/09/11
ヴァイオリン職人愛用の道具 その2
今回は修理ではなく、職人が使用する道具の一つである「小刀」を紹介します。
名称としては「切り出し小刀」や単に「ナイフ」ともいいます。
大変シンプルな道具ですが、用途としてはf字孔や駒のくり抜き、曲線の面取りなど多岐にわたり、なくてはならない道具の一つです。
一般に「切り出し小刀」というと片刃(裏が平らで刃が片方にしかついていない)ですが、弦楽器の職人がよく使うのは両刃のものです。
たしかに片刃の方が鋭い切れ味を出しやすいのですが、弦楽器では曲線切るのことが多く、細かいところでもいい具合に刃が抜けてくれます。
また、刃を外側に向けて押して切るのではなく、内側に向けて、引きながら切ることにも長けています。
両刃とはいえ、高い切れ味が要求される大変繊細な道具であるため、こまめに研ぎ直すことが重要です。
刃の形も職人によって好みがあり、切っ先が鋭角か鈍角か、刃先は真っ直ぐか少し曲線をつけるか、刃の厚みは厚いか薄いか等々、それぞれこだわりのセッティングがあります。楽器と同じですね。
いかがでしたか?
それではまた👋
I より✉