技術日記⑱ in 札幌
2024/11/27
❕乾燥注意❕
だんだんと寒くなり、乾燥が気になる季節になりました。
乾燥は楽器にとって良くない変化が起こる原因になりやすく、注意が必要です。
いくつか例を挙げてみましょう!
・ペグのゆるみ
練習を始めようと思ってケースを開けると、何本か弦が緩んでいた経験がある方もいると思います。調弦の時にもなかなかペグが止まらず困ることも多いかもしれません。
・弓の毛の縮み
乾燥で弓の毛が縮んで短くなってしまい、弓をめいいっぱい緩めても毛が張ったままになってしまうことがあります。毛が張ったままだと弓の反りに負担がかかってしまうので、避けたい状態です。
・楽器のはがれ、割れ
先の2つは湿度が戻ると元の状態に戻ることもありますが、楽器の剥がれ、割れは一度起こってしまうと自然にもとには戻りません。
接着面の剥がれは見た目にはびっくりしますが、剥がれることによって木材の縮みの力を逃がし割れを防ぐ効果があるので、正しく機能しているとも言えます。
楽器の割れは大きな修理が必要になることもあり、乾燥で一番気を付けるべきトラブルです。
放っておくと剥がれや割れが広がっていく可能性もあるので、早めに修理を依頼することをお勧めします。上記のトラブルを避けるために部屋の加湿をしっかりしてあげるのが一番の予防策です。
湿度40%を下回らないようにできれば大きな乾燥トラブルは防ぐことができると思います。
ただし、エアコンや暖房機器の送風口近くに保管してしまうと、部屋の湿度が保たれていてもトラブルが起きやすくなるので要注意です。
部屋の加湿が難しい場合はケース内入れる湿度調整剤や調整シート、楽器本体に垂らす加湿器具等を使うことで乾燥の影響を緩和することができます。
気になる、不安な点があれば、楽器店での点検、相談をしていただければと思います。